なぜ山岳会が自然保護活動を行うのか
登山と自然保護は、切っても切れない関係にあります。
山岳会は単に登山を楽しむための団体ではなく、**「自然の中で活動する責任ある存在」**として、自然保護にも積極的に取り組んでいます。
その理由は明確です:
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登山は自然環境の中で楽しむアクティビティである
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山に登る人が増えれば増えるほど、自然に与える影響も大きくなる
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自分たちのフィールドを守ることは、登山文化の持続可能性にも直結
つまり、自然を守ることは、登山を守ることでもあるのです。
山岳会による自然保護活動の具体例
実際に多くの山岳会では、以下のような自然保護活動を日常的に行っています。
■ 登山道整備・補修作業
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崩れた登山道の補修
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ロープや標識の設置
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登山道脇の植生回復
これは、登山者の安全確保と同時に、植生の踏み荒らし防止にもつながります。
■ 清掃登山(クリーンハイク)
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ゴミ拾いを目的とした登山イベント
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山頂・登山道・駐車場などの清掃
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「ごみを持ち帰る」啓発活動も実施
山岳会単独だけでなく、地域団体や小中学校と連携することも多いです。
■ 外来種の除去活動
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自然公園や山域において、在来植生を脅かす外来植物の駆除
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種子の拡散を防ぐ啓発(靴裏の土を落とすなど)
外から持ち込まれた植物が、山の生態系を変えてしまうケースもあるため、非常に重要な活動です。
■ 植生・動植物のモニタリング
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登山道周辺の植物や動物の観察・記録
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地域の環境団体や行政と協力して、変化を定点観測
自然の“異変”にいち早く気づけるのが、山を歩いている人たち=山岳会の強みです。
■ 自然保護の講習・啓発活動
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一般登山者向けの「山のマナー講習会」の実施
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学校や公民館での講演活動
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SNS・会報誌を通じた情報発信
たとえば、「登山道から外れない」「野生動物に餌を与えない」「植物を採らない」などの基本的なルールを広める役割も担っています。
登山者と自然環境:トラブルと課題
登山人口が増える一方で、自然環境への影響やトラブルも年々増加しています。
❌ 主な問題点
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登山道の踏み荒らし → 土壌流出・植生破壊
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ゴミの放置・トイレ問題
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SNS映え目的での危険行動・ルール違反
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ドローンの無許可飛行、動物への干渉
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ペット連れ登山による野生動物へのストレス
これらの問題に対し、山岳会は現場での観察・注意喚起・代替ルート提案などを行い、持続可能な登山のあり方を模索しています。
山岳会だからこそできる環境教育と地域連携
山岳会の強みは、単に知識や技術を持っているだけでなく、地域とのつながりを持って活動できる点にもあります。
■ 自治体との連携
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登山道整備の委託や協力
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国立・県立公園の維持管理に参画
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地域の防災訓練や観光事業とも連携
■ 子どもたちへの環境教育
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小中学生向けの「自然観察ハイク」
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学校と連携した「登山教室」「森の教室」
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自然の中での体験が、次世代の自然保護意識につながる
■ 山岳ガイドや講師としての活躍
資格を持つ山岳会員が、登山者向けに自然保護の意識を伝える役割も果たしています。
今後の山岳会と自然保護のあり方とは
気候変動や観光登山の増加により、山の自然環境は大きく変化しています。
これからの山岳会には、以下のような取り組みがますます求められていくでしょう。
✅ 持続可能な登山スタイルの推進
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小規模・低負荷な登山の提案
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ローカルルートの紹介・分散化
✅ デジタル時代への対応
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SNSでの自然保護メッセージ発信
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登山アプリとの連携でマナー啓発やルート案内
✅ 地域とのさらなる共生
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登山道だけでなく、地域文化や里山の保全にも関与
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観光・農業・教育など、広い分野とつながる可能性
山岳会はこれからも、登山の楽しさと自然保護のバランスをとるキープレイヤーとして活躍が期待されます。
まとめ
山岳会は単なる登山団体ではなく、自然保護の実践者であり、教育者であり、地域のパートナーでもある存在です。
山岳会と自然保護の関係をまとめると:
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✅ 山の環境を守ることで、自分たちの活動も守る
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✅ 登山道整備や清掃登山などの実践的な保全活動
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✅ 自然保護を広げる啓発・教育活動にも積極的
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✅ 地域や行政との連携で持続可能な登山を支える
登山を愛するからこそ、山を守る責任を持つ。それが、山岳会の本質であり、これからの時代にも大切にしたい価値観です。
