山岳会で感じる「老害」の空気──登山仲間なのに息苦しいのはなぜか?

登山を愛する人が集まるはずの山岳会。
ところが実際に入ってみると、「山より人間関係のほうがキツい」「会の雰囲気が重たい」と感じたことはありませんか?
特に若手や中堅の登山者が違和感を抱くのが、年長者による支配的な振る舞い──俗にいう「老害」的な存在です。
この記事では、山岳会における“老害”問題の実態と、それにどう向き合えばいいかを探っていきます。


山岳会における「老害」とは何か

「老害」という言葉は強いですが、ここでは特定の年齢層を攻撃する意図はありません。
問題なのは、**“年齢や経験の長さ”を盾にして他人を抑圧するような態度や言動”**です。

山岳会では以下のような場面がよく見られます:

  • 若手の意見を全否定し、「昔はこうだった」で済ませる

  • 安全面を理由に新しい登山スタイルや装備を否定

  • 常に仕切りたがり、他人の自由を奪う

  • 指導と称して、感情的に叱責する

  • 飲み会や合宿での上下関係を強制する

こうした言動は、**登山技術とは無関係な「組織の空気の重さ」**を生み、若い世代が居づらくなる原因になります。


若手メンバーが感じるリアルな違和感

実際に山岳会に所属した若手・中堅メンバーの声を拾ってみると、次のようなリアルな不満が聞こえてきます。

  • 「自分で山行計画を立てたら“危ない”と却下された」

  • 「装備を買い替えたら“軽すぎる”“昔のが信頼できる”と否定された」

  • 「会のやり方に疑問を持ったら“反抗的”と見なされた」

  • 「女性メンバーが年配男性に付きまとわれていた」

  • 「飲み会で年長者の話をただ聞いてるだけで、正直苦痛だった」

これらは決して「世代間の価値観の違い」だけでは片付けられません。
根本にあるのは、一部のベテランメンバーが組織内で過剰に権力を握っている構造です。


なぜ「老害」が生まれてしまうのか?

長年の固定化されたヒエラルキー

多くの山岳会は長年の歴史を持ち、運営が年功序列で固定化されているケースが多くあります。
このような環境では、若い人が運営に関与しづらく、意見も通りにくい構造になりがちです。

「俺が育てた」文化

経験が豊富な人ほど、自分のやり方に自信を持っています。
その結果、「新人は俺の言うことを聞いておけばいい」という姿勢になりやすく、一方通行の指導=パワハラ的指導になってしまうことも。

新しいものへの拒否感

軽量化された最新装備、スマホによるGPS活用、SNSを通じた情報交換など、若い世代の登山スタイルに対して、
「そんなものは危ない」「甘い」という偏見が残っていることも、世代間の断絶を深める一因となっています。


我慢するしかないのか?対処法を考える

距離感を意識して関わる

全ての年配者が「老害」ではありません。
むしろ、経験や知識が豊富で、若手に親身なアドバイスをくれる人もたくさんいます。
大切なのは、「話が通じる人とだけ、適度な距離感で関わる」というスタンスです。

自分の登山目的を明確にする

  • 技術を学びたいのか

  • 仲間がほしいのか

  • 単純に登る機会を増やしたいのか

目的が明確になれば、「無理に会に属さなくてもいい」と気づく人もいます。
一部の人間関係で悩んでいるなら、それは目的と手段がズレているサインかもしれません。

別の登山コミュニティを探す

今ではLINEオープンチャット、X(旧Twitter)、登山系SNSや掲示板を通じて、同世代や価値観の合う仲間とつながる方法がいくらでもあります。
山岳会は唯一の選択肢ではありません。

  • ソロ登山+SNSでの交流

  • 月1でゆるく登るフリー登山サークル

  • 女性限定や初心者歓迎の登山企画

  • ガイド付き少人数ツアー

これらはすべて、自由でストレスの少ない登山スタイルとして人気が高まっています。


山岳会に求められる変化とは?

「老害がいるから辞める」では何も変わりません。
山岳会がこれからも持続可能な組織であるためには、構造的なアップデートが必要です。

  • ベテランと若手が対等に話せる運営体制

  • 新しいアイデアや装備を歓迎する柔軟性

  • 年齢・性別・経験に関係なく意見を聞く文化

  • パワハラや不適切な発言へのガイドラインの明確化

  • 定例会や山行のオンライン化や自由参加制の導入

こうした変化がなければ、若者の流出は止まらず、山岳会そのものが縮小していくのは時間の問題です。


まとめ

山岳会における「老害」問題は、一部の年配者の振る舞いにとどまらず、組織文化や構造そのものの問題でもあります。
若い人や新しいメンバーが居心地悪く感じるなら、それは「わがまま」ではなく、変化すべきポイントが見えている証拠です。

山は本来自由で開かれた場所。
だからこそ、登山を続けるために必要なのは、“誰とどこで、どんなふうに登るか”を自分で選ぶことです。

あなたの登山を窮屈にする環境からは、勇気を持って離れてもいい。
その先に、本当の意味での登山の楽しさが待っているかもしれません。

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