
登山というアウトドア趣味の世界では、近年女性の参加が目立つようになってきました。
しかしその一方で、山岳会における女性問題に悩んでいる人も少なくありません。
「空気が合わない」「発言しづらい」「なぜか居心地が悪い」といった違和感の正体とは何なのでしょうか。
本記事では、山岳会における女性の立場やジェンダーに関する問題、そして今後の課題について深掘りしていきます。
山岳会と女性:見えない壁の存在
登山人口における女性の割合は増加しています。特に20代〜40代の女性は、ソロ登山やグループ登山、山ガール文化などを通じて登山を自分のライフスタイルに取り入れる人が増えました。
しかしながら、山岳会への参加となると、女性の割合は著しく低いのが現状です。
その背景には次のような要素が存在します:
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昔ながらの男性中心の文化
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技術や経験を理由にした“見下し”
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飲み会や合宿時の男女の扱いの差
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暗黙の役割分担(世話係、サポート役)
こうした点が、「山岳会に女性が居づらい」原因になっているのです。
山岳会における典型的な女性問題
男性優位の空気感
山岳会では歴史的に男性主体で運営されてきた経緯があり、その影響がいまだに残っています。
たとえば、会議や山行計画で女性が発言しても軽く扱われたり、逆に「よくわかってるね」と過剰に驚かれたりする場面があります。
このような言動は悪気がないとしても、女性にとっては「対等に扱われていない」と感じる一因になります。
無意識の性別役割分担
合宿や長期山行の際、女性にだけ「食事係」「荷物の仕分け」などの裏方仕事が当然のように回ってくることがあります。
これもまた、ジェンダーバイアスの表れであり、女性が対等な登山者として見られていない証拠です。
男性メンバーとの距離感が難しい
山岳会内での男女の距離感も、女性にとって悩ましいポイントです。
プライベートな誘いを受けたり、断ったことで気まずくなったりと、登山以外のところで神経を使う場面が意外と多いという声もあります。
女性自身の声:なぜ山岳会に違和感を持つのか
実際に山岳会に参加したことのある女性たちの声を集めると、次のような意見が挙がります:
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「技術を高めたくて入会したのに、最初から“初心者扱い”された」
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「合宿のたびに“女子部屋のまとめ役”を任されて疲れた」
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「男性メンバーに気を遣いすぎて、山そのものを楽しめなくなった」
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「恋愛目的っぽいアプローチを受けて、通うのが嫌になった」
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「下山後の飲み会が女性には地獄。気配りばかり求められる」
これらはすべて、登山そのものではなく、**山岳会というコミュニティ構造における“女性問題”**に起因しています。
山岳会が抱える構造的な課題
山岳会の多くはボランティア運営であり、歴史の長い組織ほど内部の文化も固定化されています。
そのため、**「誰も悪気がないのに排他的になる」**という構造的な問題が発生しやすいのです。
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内輪のノリが強すぎて新規女性がなじみにくい
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「女性が少ないから逆に大切にしてる」という名目で制限が増える
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ジェンダーに対する感度の低さ
このような要素が積み重なり、女性が気軽に参加しづらくなる状況が続いているのです。
これからの山岳会に求められる視点
では、山岳会が女性問題を解決し、より開かれた場になるためには何が必要でしょうか。
意識改革とルールの明文化
「差別するつもりはない」ではなく、無意識の偏見を認識し、それを修正していく姿勢が大切です。
役割分担の平等化や、発言のバランス確保など、基本的なルールを明文化するだけでも大きな違いになります。
女性が運営に関わる機会を増やす
運営メンバーに女性がいるだけで、視点が変わります。
「女性のための山行企画」や「男女混成での講習会」など、新しい取り組みが生まれやすくなり、結果的に参加しやすい環境へとつながります。
小規模グループやサークル形式の導入
最近では、「女性だけの登山サークル」や「ジェンダーフリーな登山グループ」などが人気です。
こうした小さくて柔軟なコミュニティの方が、女性にとって安心できる居場所になる場合もあります。
まとめ
山岳会における女性問題は、登山技術や体力の話ではなく、組織内の文化や無意識の偏見に根ざしたものです。
一人ひとりが意識を変えることで、より多くの人が安心して山を楽しめる環境をつくることができます。
登山は誰にとっても自由で、尊重されるべき趣味です。
山岳会というコミュニティが、多様性を受け入れ、誰もが居心地よく過ごせる場所になるための変化が、今まさに求められています。

